【映画】<中国という猛毒>米国国内で「中国資本によるハリウッド侵食」の懸念!映画の「洗脳力」注視


近年、「中国ナンバーワンの富豪」として君臨するのが、不動産大手、大連万達集団(ワンダ・グループ)の王健林会長だ。
米国国内で「中国資本によるハリウッド侵食」の懸念が高まっているが、その渦中の人物は富豪1、2位を争うアリババ集団の馬雲会長と、ワンダの王会長である。

ワンダは今年1月、「ジュラシック・ワールド」などを製作した米大手製作会社レジェンダリー・エンターテインメントを、35億ドル(約3819億円)で買収した。
その調印式で、王会長は「中国は今後、グローバルな映画産業において発言力を勝ち取っていく」などと挑発的な演説をした。

王会長にとって次なる大物は、ゴールデングローブ賞やアメリカンミュージックアワードなどを主管するテレビ番組制作会社ディック・クラーク・プロダクションズだった。
米紙ウォールストリート・ジャーナルなどが9月下旬、「10億ドル(約1091億円)で買収を推進していく」と、危機感とともに報じている。

国内外でテーマパークを手掛け、ディズニーにも宣戦布告するなど、
エンターテインメント事業へ異様なほど力を注ぐ王会長だが、習近平国家主席の意向を受けてのビジネスだと考えられる。

ここ数年の習政権の政策の1つに、文化と芸術産業のコントロールと振興がある。国内外の報道分野のみならず、文化芸術の“中国優位化”を目指し、
とりわけ映画の影響力、洗脳力に注視してきた。手っ取り早い方策が“ハリウッドの爆買い”なのだ。

ワンダが山東省青島市に「世界最大規模で最高レベル」の撮影基地、中国版ハリウッドの建設を発表した2013年9月の起工式には、ハリウッドの超大物俳優が複数、招待された。
その時、「200万ドル(約2億1800万円)で招待」と米フォーブズ誌などに報じられた米俳優、レオナルド・ディカプリオは近年、中国のネットユーザーから、「小李子」のニックネームで親しまれている。

ディカプリオは2月末、5度目の正直で念願の第88回アカデミー賞主演男優賞を受賞した。
受賞作品「レヴェナント:蘇えりし者」のプロモーションのため、翌3月に彼が向かったのは北京だった。中国マネーへの微笑外交か…。

ちなみに、王会長の妻、林寧氏の“雄姿”も最近、メディアをにぎわしている。
林氏は94年から林氏投資集団の董事長を務め、夫の事業と連携しながら、飲食業やカラオケなど娯楽施設や内装業、貿易業などに投資をしてきた。

それだけではない。彼女は先鋭的な経営者クラブ「北京欧蘭特倶楽部」も運営している。VIPメンバーの多くが、
今や政界、ビジネス界、文芸界のトップクラスへ昇格したとされる。実のところ、アリババ集団の馬雲会長も、その中の1人だ。

「強い米国の復活」を目指すドナルド・トランプ次期米国大統領は、ハリウッドの“赤化”と習政権の文化覇権への野望に、どう対峙するのだろう? =おわり

2016.11.19
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20161119/frn1611191530002-n1.htm