【論説】北海道の鉄道網もはやJRに任せられぬ 国の主体的な関与を


http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0093027.html

北海道の公共交通機関としての役割を果たすことができない―。そう吐露したと受け止められても、仕方がなかろう。
 JR北海道はきのう、JR単独での維持が困難な路線を発表した。バス転換を提案する3区間を含め10路線13区間の計1237キロ。道内鉄道網の半分に及ぶ。
 今後、線路や駅舎など鉄道施設を自治体が所有する上下分離方式を軸に地元協議に入るという。
 自治体の財政事情は厳しい。議論が平行線をたどれば、鉄路半減が現実味を帯びる。
 もはや、JRだけに解決策を求めても事態の打開は難しい。
 JRの経営努力が不可欠なのは当然だが、鉄道の維持を北海道の地域政策としてとらえるべきだ。
 そのためにも、国や道には主体的な関与を求めたい。
■道東北に広がる空白
 左の地図を見てほしい。JRが単独で維持できるとする路線だ。道東北に白い部分が目立つ。

(中略)

 国の責任も重い。87年の国鉄分割民営化時から、北海道で1社が単独で営むことに無理があるとの指摘はあったからだ。
 石井啓一国土交通相は記者会見で、これから始まる協議に国も参加するとの姿勢を明らかにした。
 ならば、道路に偏っている現在の交通政策を、鉄路を含めた枠組みに練り直すべきではないか。国費投入の検討も急務だ。
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