【韓国】朴大統領来日できるか、日中韓会談に意欲 早期聴取拒否で逆ギレ反撃…別の不正事件の徹底捜査指示[11/19]


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〝ご乱心〟の朴氏を支持するデモもソウルで開かれた=17日(AP)
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朴大統領の反撃は実を結ぶのか(聯合=共同)

 韓国の国政介入疑惑で窮地の朴槿恵(パク・クネ)大統領が反撃に打って出ている。韓国検察から要請されていた18日までの聴取を事実上拒否した。一方、疑惑から国民の目をそらすためなのか、別の不正事件の徹底捜査を指示。日本で開催予定の日中韓首脳会談への出席に意欲も見せている。だが朴氏に対する世論の目は厳しいまま。逆ギレしての居直りを簡単には認めそうもない。

 朴氏の弁護人の柳栄夏(ユ・ヨンハ)弁護士は17日、「弁論準備を最大限急ぎ、来週には聴取が行われるよう協力する」とコメントを出した。

 疑惑で逮捕された朴氏の長年の友人で「陰の女帝」、崔順実(チェ・スンシル)容疑者の勾留期限が20日に迫っている。検察としては、18日までに朴氏から事情聴取し、朴氏との関係を起訴状に盛り込んだうえで、崔容疑者を起訴するというシナリオを描いていたが、もろくも崩れた。

 一方、韓国国会は17日、政府から独立して疑惑を捜査する特別検察官(特検)の設置を定めた特別法案を賛成多数で可決した。検察の捜査とは別に、野党側が選んだ特検が最長120日間の捜査を行う。

 検察による聴取の方針は変わらず、特検の捜査も加わるが、朴氏は延命に向けて反撃を始めた。別の不正疑惑事件に関して、徹底した捜査を指示したのだ。

 複数の韓国メディアは、地位の上下を問わず厳しく処断するよう朴氏が韓国法務省に指示したと伝えている。ほかの事件を浮かび上がらせることで、国民の関心を国政介入疑惑から移すことが目的とみられる。

 日本での年内開催に向け調整が続いている日中韓首脳会談についても、朴氏は意欲を示している。青瓦台(大統領府)の報道官が18日、朴氏が首脳会談に出席すると述べたと韓国メディアが報じた。

 検察に聴取を要請されようが、国民から下野を要求されようが、居座りを決め込んだ朴氏。大統領でいることが自分を守る最大の武器であることを知っているのだろう。

 だが、世の中そう甘くはない。中央日報(電子版)は別の事件での「徹底捜査」を命じた朴氏の発言を「破廉恥にもほどがある」と批判した。

 朝鮮日報(同)は社説で、朴氏が捜査指示に加え、政府人事を行ったことや来週に閣議を開催しようと調整を進めていることに触れ、「検察の事情聴取からはのらりくらりと身をかわしながら、一方で少しずつ業務に復帰するのは国民感情とあまりにも懸け離れている」と評した。

 聯合ニュースによると、韓国の世論調査会社リアルメーターが17日に発表した調査結果で、朴氏の支持率は前週から1・6ポイント低下の9・9%で、不支持率は2ポイント上昇の85・9%と過去最高を記録した。検察の事情聴取については、朴氏を対面聴取をすべきだと回答した人が78・2%で、書面聴取の15・3%を上回った。

 “ご乱心”とも思える朴氏の行動だが、対応のまずさは、談話を出すたびに落ちている支持率が示している。日本訪問も含め、朴氏の復権は容易とはいえない。

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