【チベット】ダライ・ラマ14世講演詳報:毛沢東は私に「赤い旗の隣に国旗を維持せよ」と言った[11/16]


産経
http://www.sankei.com/politics/news/161116/plt1611160036-n1.html

チベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世が16日午後、「グローバル世界における日本・チベット」と題して国会内で講演した。詳報は以下の通り。

私は決して中国からのチベット独立を求めるものではありません。われわれチベット人が中国の枠内にとどまることは双方にとって利益となるでしょう。

私は2011年、政治的な責任者の立場から完に引退しました。ダライ・ラマがチベットの政治、宗教の両面で指導者を兼ねるという4世紀にわたる伝統に終止符を打ったことになります。ただし、プライドをもって、喜んで、幸せに、引退することができたと考えています。

81歳を迎えました。残りの人生を過ごすにあたり3つの使命を自分に課しています。1つは、より幸せな世界にしていくために世の中の一人一人が責任を担う、その認識を広めていくことです。近代教育を通して、思いやりと優しさという人間の資質を世界の人々とともに高めていきたい。

第2の使命は仏教の僧侶としてです。インドにはさまざまに異なった宗教があり、お互いに調和をとって共存してきました。異なる宗教観の調和を図るという意味で、インドをよき模範とします。

第3は、一人のチベット人として、チベットが古代から受け継いだ文化遺産や仏教を継承していきたいと考えています。

人間は、内なる心の価値として、慈悲の心、他者に対する優しさと思いやりの心を持ちます。この心が芽生えるには、裏表のない人間で正直であることが大切です。これからの世界を担っていく若者は、知識のレベルにとどまらず、必ず内なる心の価値、他者への思いやりというものを忘れてはならないでほしい。また、政治家も裏表をない態度で活動をするならより多くの人から信頼を得るでしょう。

つづく