【プロレス】ダンプ松本はいま…誕生会とレジェンドへの道


【笠原然朗の舌先三寸】「来てくれてありがとね」。松葉杖をついて彼女は現れた。

「11月2日から全然、飲んでないの。膝やっちゃって。医者に行ったら、治しようがないって。とりあえず動かさず、痛ければ鎮痛剤飲めって…」と、ちょっと寂しそうに笑った。

11月11日が彼女の誕生日。都内の居酒屋にこの日も友人、知人、“同僚”、ファンら40人近くが集まった。
「パーティーをやるのは29回目だけど、飲まないのは初めてだな。みんなは飲んでね」

彼女の挨拶で宴の始まりの“ゴング”が鳴った。

本名・松本香。リングネーム、ダンプ松本はこの日、56歳の誕生日を迎えた。

1980年代、全日本女子プロレスを支えた希代の悪役レスラー。ブル中野、クレーンユウらと「極悪同盟」を結成し、長与千種、ライオネス飛鳥の「クラッシュギャルズ」と、連日、流血をも辞さないファイトをリング上で繰り広げた。

北斗晶がタレント活動に転向する以前は、おそらく日本のどこへ行っても顔と名前が知られている唯一の女子プロレスラーだったのではないか?

16年前、スポニチの釣り面の企画で、私がマスクをかぶった覆面釣り師(リングネームは「コモエスタ両国」)に扮して2年ほど、ダンプと“釣り対決”を行った。それ以来の縁で、毎年、誕生会に呼んでくれる。ほぼ1年に一度だけの出会い。まるで七夕だ。

いまや女子プロレス界のレジェンドとなったダンプは、いまでも多いときで月に4回はリングに上がっているという。ペイントをし、竹刀を振り回し、容赦なく相手をたたきのめすファイトは“あの頃”のまま。

CS放送のサムライTVで偶然見た最近の試合の話をすると、「見てくれたんだ。リングで動けてたかなぁ…」。こんな反応がダンプらしい。“気にしぃ”なのだ。

素顔の松本香は、温厚で、優しくて、繊細で、ちょっと小心者の女子。後輩の面倒見も良いから、誕生会には全女のOGたちも顔を出す。

この日のパーティーでも参加した堀田佑美子、豊田真奈美、井上貴子、ジャンボ堀、影かおるらがマイクを握って次々と歌を披露していた。

そんな姿をうれしそうに眺めながら、しらふのダンプがポツリと言った。

「私ね、あと4年、東京オリンピックの年までリングに上がりたいんだ。60歳で、デビュー40周年。それまでは頑張るよ」

還暦のダンプ松本も見てみたい。ちゃんちゃんこ代わりに赤いリングコスチュームに身を包んでの暴走ファイト…。60歳の現役女子プロレスラーは日本初。その時、ダンプは真の伝説になる。(専門委員)

ダンプ松本は、12月24日(土)正午から江東区木場の新木場1STリングで、自主興業「極悪×暴走女子プロレス」を開催。出場はダンプのほか、堀田、豊田、ZAP、アイガー、そして全女OGのジャンボ堀、大森ゆかり、小倉由美らも。「クリスマスイブで昼の興業だからどっか行く前に来てね」とはダンプから。

◎ダンプ風すいとん

ダンプさんは、家庭的で料理上手。「何でも作るよ。得意なもの?そうだなぁ、すいとんかな…」。聞いたレシピを少しアレンジ。ダンプさんは「里芋も入れる」と言うが手元になかったので割愛。

(1)ボウルに小麦粉(薄力粉)と塩少々を入れ、お湯を少しずつ注いで、菜箸でかき混ぜる。

(2)固まってきたら、手でこねる。耳タブぐらいの堅さが目安。

(3)ラップをして20分ほど寝かせる。

(4)フライパンに水を張り、食べやすい大きさの団子状にしたすいとんをゆでる。

(5)鍋に張ったダシに、火が通りにくい野菜から順番に入れる。食べやすい大きさに切った大根、ニンジン、ジャガイモ、白菜の順で、途中で豚肉を入れてジャガイモに火が通ったら、ダシしょうゆ、みりんで味を調える。最後にゆでておいたすいとんを加えてできあがり。

野菜たっぷり。寒い冬にふさわしい健康メニューだ。

[ 2016年11月19日 09:30 ]
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/11/19/kiji/K20161119013746940.html
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