【サッカー】静岡県東部初のJリーグクラブ(中)運営基盤の強化 J3アスルクラロ沼津


「J3でしっかり戦っていけるような基盤づくりをしたい」。16日、J3参入正式決定の知らせを受けたアスルクラロ沼津の山本浩義代表(55)は記者会見で力強く語った。
 Jリーグクラブへの挑戦が本格的に始まった2013年。クラブは運営の基盤固めを求められ、山本代表とスタッフは営業活動に追われた。朝から晩まで企業を訪問し、J3への熱意を伝え続けて地元企業によるスポンサーの輪は徐々に広がった。当初約80社だったスポンサーは沼津が日本フットボールリーグ(JFL)に参戦した14年に160社に倍増。今季は約300社までに増えた。
 ただ、J3参入で支出の増額は避けられない。「1年目でも結果を残すには選手の強化が必要」(山本代表)。Jクラブになることでホームスタジアムの愛鷹広域公園多目的競技場の使用料もアマチュアのJFL時代から約10倍になり、警備費も膨れあがる。Jリーグからの配分金やスポンサー料の増加を見込んでも財政は厳しく、スポンサーを増やすだけでなく、安定したチケット収入も欠かせない。
 積極的なホームタウン活動などで、JFL1年目当時に比べて沼津の認知度は上がった。しかし、安定したチケット収入につながるサポーター会員「ソシオ会員」の数は千人弱と伸び悩んでいる。山本代表は「地元の人に愛され、シンボルと思ってもらうにはより地域とのつながりを密にしなければならない」と話す。
 債務超過が続けば、成績が良くてもJ3ライセンスの交付を受けられない可能性がある。選手の雇用やスポンサー集めに協力してきたクラブの取締役でNNHの羽切勝利社長(51)は「J3参入でやっとスタートに立った。財政、運営面の不安は大きいが乗り越えていきたい」と前を向く。

アスルクラロ沼津Jリーグ参入記者会見(2018 11 16愛鷹広域公園陸上競技場)
https://www.youtube.com/watch?v=BlqdPYQHIto

http://www.at-s.com/sports/article/shizuoka/azul_claro/302997.html