【住宅】若者の間で四畳半暮らしがブームに 「スマホさえあれば生きていける」


今、若い世代に共通する感覚として、「職住一致」志向があります。ご存じのように、
戦後には職場と住まいを分ける「職住分離」が進み、首都圏郊外には、都心へ通勤する人
の住宅地を中心に発達したベッドタウンが広がっていきました。それ以前は、サラリーマンはもちろん、
商店や工場で働く人も、自宅が店を兼ねていたり、住み込みで働いていたのですが、次第に職場と離れたところに住むようになったのです。

しかし、その結果として働くお父さんたちが直面することになったのは、職場までの長距離通勤です。
そして、毎日長い時間をかけて自宅と会社を行き来し、疲れ果てる親の姿を見てきた今の若い世代の中には、
「自分はそういう生き方はイヤだ」と、できるだけ会社の近くに住みたがる人が増えたのです。
そんな若者たちからの人気を集めている、面白い不動産会社があります。「EARLY AGE(アールエイジ)」という会社です。
扱っているのは、狭いと7平米、いわゆる四畳半程度の小さな部屋。早稲田や蔵前、門前仲町など、
大都心近くの、駅から近い立地を中心に展開しています。そこには、トイレとシャワー、洗面所と流し台を兼ねたシンクがあり
下に洗濯機がはめ込まれています。部屋によっては、トイレの仕切りがない場合もある。一見、びっくりする間取りですが、
空室が出るとすぐに埋まってしまうそうです。

こんな狭い部屋に暮らせるのかって?それが、暮らせるのです。この部屋に住みたいと思う人たちは、
スマホさえあれば生きていけるからです。冷蔵庫が置けなくても、コンビニがその役割を果たしてくれます。
それよりも、とにかく会社から家に帰るまでの時間が惜しいということのようです。通勤時間を極力短くして、早く寝たい、と。

大きな会社があるような都心の近くで住もうとすると、当然ながら家賃の相場は高い。もちろん、
おカネがある人はそれでもある程度の広さの家に住むのでしょうが、そうでなければ、住居の広さよりは会社からの近さを選ぶ
というわけです。とはいえ、この不動産会社が扱っている物件の場合は、狭くてもデザイナーズマンションなので、そこまで安くはありませんが…。
これは、昔の苦学生たちがしていた四畳半暮らしとはまた異なる形態です。私はこれを、「新・四畳半暮らし」と呼んでいます。
1970年代の四畳半暮らしは、地方から都会に出てきた若者たちが、おカネのない学生時代などを過ごす場所でした。
しかし、生活が豊かになるにつれて、テレビを買い、ステレオを買い…とだんだんモノが増えていき、
いずれ広い部屋に引っ越していきました。そして、家庭を持つと、郊外に出て家を買ったのです。

(以下略)

http://toyokeizai.net/articles/-/141803

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早稲田駅徒歩7分・4.2畳で家賃58000円。一人暮らしの男性中心に人気が高く、空室は2016年10月下旬現在でゼロだ