【南シナ海問題】中国主席「協力の機会に」=フィリピン大統領とペルーで会談[11/20]


 【北京時事】中国の習近平国家主席は19日、ペルーの首都リマで、フィリピンのドゥテルテ大統領と会談した。

 新華社電によると、習主席は「海洋協力を積極的に模索し、南シナ海問題を両国の友好的な協力促進の機会に変えなければならない」と訴えた。対立を棚上げし、関係改善を進めていく考えを確認した。

 両首脳の会談は10月のドゥテルテ氏の訪中以来。習主席はこの日、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席とも会談し、海洋問題について「対立の棚上げと共同開発に向けた協力」を主張した。南シナ海の領有権を争う両国との関係改善をアピールし、日本や、トランプ次期米政権をけん制する狙いがありそうだ。

 習主席は先のドゥテルテ氏訪中で「中比関係は全面的な改善を実現した」と強調。その上で「友好的な協力を堅持し、対立点では適切に対処しなければならない」と協力強化へ意欲を訴えた。ドゥテルテ氏は「フィリピンは独立した自主外交を推進し、兄弟のような中国と永遠の友人関係を築きたい」と語り、インフラ建設などへの中国の支援に期待を示した。 

 10月の中比首脳会談以降、中国は両国の係争地である南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺でのフィリピン漁船の操業を容認。フィリピンへの投資や貿易の拡大を進め、関係は急速に改善しつつある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161120-00000016-jij-cn