【韓国】「陰の実力者」の娘、韓国馬術競技でやりたい放題 そして、不正入学疑惑の名門女子大に退学届[11/20]


 韓国の国政介入疑惑の波紋は留まるところを知らない。11月12日にはソウル中心部で26万人(警察推計)とも100万人(デモ主催者発表)とも言われる大規模なデモが繰り広げられた。任期を1年以上も残す朴槿恵(パク・クネ)大統領の支持率は5%と史上最低に陥っている。

 韓国メディアは「この悲劇はどこからスタートしたのだろう?」として疑惑を根底から検証。最大の原因として、最高権力の座に座った後も親友で女性実業家、崔順実(チェ・スンシル)容疑者と「私的な縁を切らなかったことだ」と糾弾している。

 それが崔容疑者の娘、チョン・ユラ女史(20)に絡む数々の疑惑にも現れている。馬場馬術の代表選抜過程の不透明、馬術採点の不正操作、名門女子大への裏口入学…などだ。

 韓国最大財閥サムスンの便宜供与疑惑も取り沙汰され、若者の失業率が悪化する中、「陰の実力者」と称される母親の威光で繰り広げられたとみられる便宜に韓国民は怒りに拍車を掛けている。

 ハンギョレ新聞など韓国メディアによると、韓国検察は11月8日、韓国GDP(国内総生産)の約2割を占めるといわれるサムスンへ家宅捜索に入った。同社は崔順実容疑者を最も積極的に支援したとされている。

 チョン・ユラ女史が実質所有したドイツ法人に280ユーロ(約3億2400万円)を支援した疑惑を捜査するのが目的と報じられた。表向きは崔容疑者のコンサルティング契約料とされるが、一方で、17億~18億ウォン(約1億5000万~1億6000万円)とされる名馬を購入し、チョン・ユラ女史の海外トレーニング費用などに充てられていたという疑惑が伝えられている。

 馬術馬の価格としてはアジア大会レベルで7億ウォン台、五輪レベルで20億ウォン台とされ、2014年アジア大会の韓国代表を経験したチョン女史とはいえ、高価な馬といえる。

 さらに、サムスンがチョン女史を支援するため今年5月、協力会社を通じて230万ユーロでドイツの乗馬場を購入した可能性が高いとみて、検察が集中的に捜査しているという。彼女は開場していない乗馬場で少なくとも5回、馬場馬術の個人練習を受けていたとされる。

 韓国乗馬協会の会長には昨年3月、サムスン電子の社長が就任。検察は資金が乗馬協会を経ずに直接、崔容疑者所有の会社に渡った点に着目。

 ハンギョレ新聞はこれらの事実を並べたうえで「検察は、サムスンが朴大統領と密接な関係にある崔順実に何らかの見返りを期待して事実上、対価性の資金を渡したのではないかと疑っている」と報じた。

 13年4月に実施された全国乗馬大会でチョン・ユラが2位になると、韓国乗馬協会は審判に異議を提起。警察が捜査し、大統領府が文化体育観光部幹部に真相調査を指示する異常事態に発展した。結局、乗馬協会は、配点方式などを競技当日に変更して公示するなど「大会を不公正に運営した」という調査結果を受けている。

 その後、チョンは14年仁川アジア大会の代表に選出され、団体戦で金メダルを獲得。乗馬特待生として名門、梨花女子大体育科学部に入学した。馬術が特待生の競技種目に加わったのはこの年からだという。

 韓国で市民が最も敏感なのは「権力者による子供の不正入学」と「徴兵逃れ」と言われている。聯合ニュースによると、チョンと梨花女子大をめぐっては、裏口入学や単位の不正取得などがあったとの指摘が出ている。チョンは10月31日にオンラインで退学届を提出したと報じられた。

 韓国統計庁の雇用動向で9月の失業率は3.6%だったが、15~29歳の若年層では9.4%で、統計開始以来ワーストとなった。アルバイトをしながら就職活動をする人や入社試験に備える学生らを含めた雇用補助指標で「体感失業率」は9.9%だった。地獄のように生きづらい社会を意味する「ヘル朝鮮」というスラングが若者の間で流行している。

 その状況が若者の朴大統領の支持率1%になって表れ、韓国ネットユーザーは「数年前から問題になっているのに、なぜ放置したままなの?」という声が寄せられていた。

http://www.sankei.com/premium/news/161120/prm1611200006-n1.html